未来のつくりかたを、再発明しよう官と民とが垣根を越えて交わり合う
新しい公共サービスのあり方について
最先端で社会課題に取り組む起業家が激論

富士五湖自然首都圏フォーラムが2024年に立ち上げた、行政と社会起業家の協働による新しい公共サービスの構築を目指す「社会起業家連携・先進行政コンソーシアム(WISE GOVERNMENTコンソーシアム)」。
2025年3月、当コンソーシアムでは、日本最大の社会起業家支援団体「NPO法人ETIC.」との連携により、新しい公共サービスの創出に向けてコンソーシアムが目指すべき全体像や、今後の国内外への発信の方向性の議論を行うシンポジウムを開催。最先端で社会課題の解決に取り組む起業家たちが登壇し、社会起業との連携、行政の変容等について激論が交わされました。

WISE GOVERNMENT×社会起業家
=社会起業家と自治体・住民の連携の現在地と未来

1つ目のセッションでは、WISE GOVERNMENTというテーマの下、自治体、行政と社会起業家をはじめとする民間の多様な主体がどのように連携していくべきか、そのパートナーシップのあり方について議論。特に、いわゆる社会起業家だけでなく、社会貢献を意識して活動する幅広い民間の存在に焦点が当てられました。

登壇者:株式会社はくばく代表取締役社長・長澤重俊氏(画像右)
株式会社AsMama代表取締役社長・甲田恵子氏(画像左)
進行役:株式会社エンパブリック代表取締役・広石拓司氏(画像中)

「地域貢献において大事なのは雇用だが、それ以外にも、マネタリー経済からボランタリー経済へという話がある。プライドや、評判とか、人のつながりなど、目に見えないものを大事にするという。そういったことを意識して、地元に影響を及ぼす経済帯の中にいる存在として、企業を見つめ直していく」
(株式会社はくばく代表取締役社長 長澤重俊氏)

「人口減少が進む中で、公共頼みではなく、民間、市民同士の助け合いで何とかしてよ、という場面は出てくる。そこでの旗振り役を行政がやるっているのはすごく大事」
「民間に単に委託するという感じではなく、職員の方々が市民の方々と触れ合って、何かしらできることで、全員が街づくりに参画していく。そこに横串さすということが、これからどんどん求められてくる」」
(株式会社AsMama代表取締役社長・甲田恵子氏)

WISE GOVERNMENT×行政の変容
=行政は住民・民間との共創へ舵を切れるのか?

2つ目のセッションでは、行政の変容に向けた視点や、変容した後に広がる可能性について取り上げました。社会起業家が自身の事業のみならず地域や社会を作り上げていく一方で、行政も単に地域をガバメントすることから、地域とともにガバナンスをしていく。こうした動きを全国各地で実現・展開していくことについて、今後の可能性を議論しました。

登壇者:西粟倉村役場副村長・上山隆浩氏(画像右)
公益財団法人東近江三方よし基金常務理事兼事務局長・山口美知子氏(画像中)
進行役:株式会社エンパブリック代表取締役・広石拓司氏(画像左)

「自分がリスクを取ってでも『こういう事業がやりたいんだ』っていう人たちに、地域の中に入っていただいて、そこでアセットの価値を見直した上でビジネスをやっていく」
「やりたいと思えることをきちんとやる人たちであれば、一旦地域の中に入れて育ててみる。そうすると、『こういうものが付加価値として付けられるかもしれない』という可能性が生まれる。まずあることが重要」
(西粟倉村役場副村長・上山隆浩氏)

「『行政』『NPO』という人がいる訳ではない。私もそうだが、具体的な個人が「街が良くなったら」「困っている人がいなくなったら」と思って活動している。そういう数多くの活動が知られるようになって来たと感じている。そういう個人が、お互いリスペクトしながら、さらに新たな取り組みを始められたらよい」
(公益財団法人東近江三方よし基金常務理事兼事務局長・山口美知子氏)

WISE GOVERNMENT×アート・エンターテイメント
=新産業を興す!

3つ目のセッションでは、実践的なケースとして、アート・エンターテイメントを取り上げ、民間のみならず住民や行政など周囲を巻き込むことで進められる「目に見えない資本」の具体的な活用による、新産業創出や全国・世界展開の可能性について議論しました。

登壇者:AiHUB株式会社代表取締役CTO・新井モノ氏(画像左)
株式会社HARTi代表取締役社長CEO・吉田勇也氏(画像右)
進行役:弁護士(RULEMAKERS DAO 発起人 / 日本DAO協会発起人)・本嶋孔太郎氏(画像中)

「日本人の感性で作られたコンテンツは海外でも高く評価される現状がある。自分たちが欲しいものを作ることがグローバル展開の第一歩になる。スピーディーな行動、小さな規模から迅速に始めることが重要」
「UberやInstagramのようなコミュニティ経済のビジネスでは、どうコールドスタートをクリアするかが重要。動き始めて、次のステップに移行すれば、自立的に発展し始める。行政の役割は、最初のコールドスタートにおいてエンジンをかけてあげるサポート」
(AiHUB株式会社代表取締役CTO・新井モノ氏)

「地方で民間が旗揚げをした時に、例えば、推し活などの経済圏は取り込むべき。官民一体で、NFTやメタバース、DAOなど新しい仕組みでの公共サービスを作り上げていく。これをもとにした資金調達まで踏み込めるといい」
(株式会社HARTi代表取締役社長CEO・吉田勇也氏)

3回のセッションを総括して

シンポジウムの3回のセッションを総括して、NPO法人ETIC.・山内幸治氏は、WISE GOVERNMENT構想の意義について、「多様な主体者がそれぞれの強みを活かし、対等なパートナーシップに基づいて協働することで、持続可能な地域社会の実現を目指すものという一端が垣間見えた。そのとき、行政は、従来の役割から変容し、地域社会全体のコーディネーターとして、多様な主体者の連携を促進し、長期的な視点を持って地域づくりを支援していくことが求められる。」と述べ、シンポジウムを締めくくりました。

公式Webサイトはこちら
https://wisegov.etic.or.jp/

富士五湖自然首都圏フォーラムとは
産業界・民間企業、政治・行政、大学・教育機関・研究機関、労働組合、社会貢献団体・NPO・社会起業家、メディア、国民・県民のあらゆるステークホルダーが参画し、豊かな自然と充実した都市機能、文化を備える自然首都圏を創出するという社会実験であり、国家的プロジェクト。
カリフォルニア州、静岡県との提携で一層の飛躍が期待されます。

Copyright ©Fuji Five Lakes Forum All Rights Reserved