
山梨県知事・長崎幸太郎と田坂広志フォーラム会長・21世紀アカデメイア学長は、2024年11月1日〜7日まで米国カリフォルニア州を訪問。ラグナビーチ市、世界最大の水素利用推進組織「Renewables100」や水素製造企業「SGH2 Energy」、全米の社会起業家支援組織「LARTA Institute」ら4団体との連携協定を締結。長崎知事は2周年記念イベントの壇上で、その成果報告および締結の意義と今後の目指す方向性について発表しました。
主要4団体との連携協定の締結
渡米成果の一つ目が、ラグナビーチ市との友好都市提携です。「富士五湖グローバル・ビレッジコンソーシアム」に参画する身延町、西桂町、忍野村、山中湖村、鳴沢村、富士河口湖町の富士五湖地域6町村を代表し、長崎知事がラグナアートミュージアムにて調印。アートと観光が融合した世界最先端の都市・ラグナビーチ市との提携は、アートを切り口としたまちづくりのノウハウを富士五湖エリアに共有できるだけでなく、芸術、伝統、教育等の分野で様々なコラボレーションや協業が期待できます。

さらに、「富士グリーン水素コミュニティコンソーシアム」に関わる2団体との連携です。全米最大の水素の利活用に関する官民合同組織「ARCHES」(The Alliance for Renewable Clean Hydrogen Energy Systems)の中核組織である「Renewables100」及び水素の生成に関する革新的なコスト低減技術を有する「SGH2 Energy」と連携が決定。さらに同社のCEOであるロバート・T・ドゥー博士はフォーラムの特別アドバイザーへの就任を快諾されました。「富士地域におけるグリーン水素利用の実験コミュニティを創出する “INSIGHTコミュニティ構想”が大きく前進した。また「SGH2 Energy」との提携は水素開発の難所であるコストバリアの打破が見込まれる」と田坂会長。


また、「社会企業連携・先進行政コンソーシアム」の活動に関しては、1993年の設立以降5000社以上の企業支援実績をもつ全米最大級の社会起業家支援団体「LARTA Institute」(Los Angeles Regional Technology Alliance Institute)と連携協定を結び、さらに団体代表ロヒト・シュクラ氏はフォーラムの特別アドバイザーに就任。同団体や氏が持つ知見や先例を学ぶことにより、新たな行政の創出を目指します。

「CRC2サミット」参加から米国での拠点創りにつながった訪問
渡米5日目には、サンディエゴにあるスクリプス海洋研究所を訪問。温暖化研究の世界的権威であるヴィーラバドラン・ラマナサン教授との会合において、地球温暖化対策国際会議「CRC2サミット」への招待と、富士グリーン水素コミュニティコンソーシアムの活動についての基調講演を依頼されました。長崎知事はこの申し出を受け、山梨県が推進する水素事業を世界に向けて発信、PRする予定です。

また、現地の教育機関の協力のもと、カリフォルニア大学アーバイン校の隣接地に開設されたクール・ジャパン・センターを、富士五湖自然首都圏フォーラムの海外での活動拠点として活用していくこととなりました。今後、フォーラムは、この活動拠点を中心に、日本文化の積極発信のほか、様々な自治体とのさらなる連携やプロジェクトの創出を目指します。

「メディカル・デバイス・コリドー」の次なる展開
さらなる戦略的一手として、医療機器製造の世界的な拠点の1つでもある南カリフォルニア地域のハイテク企業やサンディエゴ市、アーバイン市、多くの医療機器メーカーが集積するカールスバッド市を訪問。山梨県は国内最大の医療機器生産県である静岡県とともに医療機器の開発に取り組んでおり、医療機器産業を両県一帯に回廊(コリドー)のように集積させ、サプライチェーンを構築する「メディカル・デバイス・コリドー」計画を5年間にわたり進めてきました。
「今回の訪問を契機に南カリフォルニア各所や各企業と連携し、医療・ハイテク産業の発展につなげたい」と長崎知事。

田坂会長は「明確なビジョンと戦略を持って活動してきた」とこの1年を振り返り、「2025年はいよいよ、富士五湖自然首都圏フォーラムがグローバルステージへと上がってゆく年となります」と渡米成果報告を締めくくりました。